営業マネジメントコンサルティング
マネジメント基盤の構築により事業体制の確立と強化を図ります。
事業活動を健全に取回していくためには、「プロセス」、「ナレッジ」、「情報コミュニティ」の仕組みや枠組みについて、戦略的な視点から営業マネジメントの確立を図ることが重要です。
お客様の事業スキームに照らし合わせ、現状における営業、販売体制の検証、最適人材配置、さらには科学的かつ持続可能なマネジメント基盤づくりをサポートします。
- 営業プロセスマネジメント
- 営業ナレッジマネジメント
- SFAマネジメントシステム
営業プロセスマネジメントとは
囲碁や将棋の世界では、「定石」という言葉をよく使います。
定石とは、「勝つための最善な打ち方」という意味です。
そう考えると営業にも「受注を獲得する最善な打ち方はこれだ!」と言う定石があってしかるべきです。
その営業の定石を時系列にまとめあげ、一連の流れを示したものが「営業プロセス」であり、営業部門全体で認識を一致させながら管理することが「営業プロセスマネジメント」と言うことです。
営業は結果管理かプロセス管理か?
従来行われてきた営業におけるマネジメントは、いわゆる「結果管理」が主流でした。
結果管理の特徴は、計画→実行→結果→対策という流れのもと、結果を待って対策を打つ点です。
今の時代は市場競争の激化、競合他社がひしめく市場の中で、シェアを伸ばし、更には収益をあげていくために常に行動を一歩も二歩もリードしなくてはなりません。
しかし、従来型管理体制のものとでは、結果を待ってから対策を講じることに、ある弊害がみられるようになりました。
それは、スピード性です。
つまり、時間単位の局面が著しい変化を繰り返す中、結果管理ではうまく対応できなくなったのです。
一方、プロセス管理体制では、計画→実行⇔対策→結果と言う流れで行われるのが大きな特徴であり、結果が出る前の実行段階で何らかの対策を講じていく管理手法です。
プロセス管理の視点は、常に実行段階である「行動」に着目しています。
営業スタッフが担当する案件進捗をリアルタイムに把握し、次の一手となる対策を事前に打ち出していくことで、スピーディーかつ的確な意思決定に導くことが可能になるわけです。
プロセス管理体制をどう構築するか?
営業プロセス管理とは、営業組織全体の体制基盤そのものです。
その前提は、営業マネジャーをはじめ、すべての営業スタッフがプロセス管理の視点を一致させることにあります。
万一、各自のプロセス視点にズレが生じてしまうと、適正な管理ができないのは言うまでもありません。
営業活動の全体像を捉えたうえで、営業プロセスを統一することが体制基盤を構築する第一歩です。
次に、営業プロセスを分解し、管理の指標を明らかにしていきます。
管理の指標とは、次の一手を打ち出すための必要な行動基準であり、フェーズごとに目的、段階到達点、成果標準値などを定義することが必要です。
その他、見込み(顧客)ランクの設定基準、リードタイム、案件成約確度の設定基準などをお定めておくことで、実際の成果とのギャップが比較できるため、適切な改善行動につなげていくことも大切な要素です。
営業におけるナレッジマネジメントとは
営業ナレッジマネジメントとは、営業現場からあがってくる「英知(=知恵、ノウハウ、情報など)」をまとめあげ、活用する仕組みを作り上げることです。
営業のナレッジは、普遍的な営業理論や法則と現場の英知をあてはめたうえで、関連性や系統性を紐付けながら勝ちパターンとなる自社独自の営業手法をブラッシュアップし、部門全体で共有していくことが可能になります。
営業マンの属人化は「悪」か?
属人化というと、何か悪い印象を与えるように聞こえます。
しかし、それを言い換えると「個性化」とも解釈できるのです。
営業スタッフも人間ですから、十人十色の個性があって当たり前です。
営業は、人を介してこそ成立しうる独特のビジネスです。
そこには、営業スタッフの個性、人徳と言った「人間力」が成果に影響を及ぼすのは当然のことなのです。
では、属人化の弊害はどこにあるのかと言うと、ナレッジが暗黙知化しやすい点にあります。
確かに個性ある営業手法には、その人のノウハウ、経験に裏打ちされた職人的なテクニックがあるかもしれません。
しかし、「その人だからできること」で終わりにしてしまうと、悪い意味での属人化が進んでしまうおそれがあるのです。
「ノウハウやテクニックの裏に、どんなソースコードが隠されているのか?」
その本質をあぶりだし、ひも解くことで誰にでも活用できるナレッジが部門全体で共有できるのです。
営業は「現場」で起きている!
どこかで聞いたようなセリフですが、営業とは机上の理論や法則、原則論のみで通用するほど甘くはありません。
しかし、現場から実証されたものは、ナレッジマネジメントを行うことで確かな実践レベルに変貌します。
ナレッジの埋没化は、企業にとって大きな損失であり、成長をもストップさせてしまいかねません。
これまで培った知恵や集めた情報を知恵に変え、さらに知恵を武器に変えていくことがナレッジマネジメントの醍醐味であり、営業部門全体の底上げが可能になり、企業の成長を加速させることでしょう。
SFAとは何か?
SFA(=Sale Force Automation)とは、営業活動を科学的に捉え、ITシステムの融合によって営業マネジメント体制をより強固なものにするための営業支援システムです。
SFAは、もともとアメリカから持ち込まれた概念だったため、日本の営業スタイルでは馴染めないという側面がありました。
昨今では、和製ITベンダー発の日本版SFAが数多く開発され、クラウド化の流れによって導入コストが大幅に削減できることから、馴染みやすいツールとして普及拡大しております。
SFAの本質と盲点とは
SFAが馴染みやすくなったとは言え、実際に「馴染む」とでは、大きく意味合いが異なります。
SFAに期待を抱き、導入したまでは良いのですが、結局は使われずじまいでシステムの廃止、気が付けば旧態依然の体制に戻っていた、と言うケースもめずらしくありません。
なぜ、このような事態に陥るのでしょうか?
考えられる原因の一つに、SFA導入基盤の不備があげられます。
つまり、営業を科学的に捉えることなくSFAをこれまでの営業スタイルに各人が強引にあてはめて活用しているため、様々な面で不具合が生じてしまうわけです。
SFAは、システム化された一つにツールすぎません。
単に導入しさえすれば、SFAが自主的に機能したり、何らかの価値を自動的に生み出すことはありません。
SFAの活用ベースと言える、営業マネジメント体制がしっかりできているからこそ、ツールの醍醐味が実感できるわけです。
その体制基盤ことが、営業プロセスマネジメントであり、営業ナレッジマネジメントなのです。
さらに、営業管理体制をシステム化することにより、質の高いコミュニティから、高度な情報分析と意思決定を加速させ、部門全体でナレッジを共有できる仕組みをつくりあげることが可能になるわけです。
SFAと情報コミュニティ
日本におけるSFAの特徴的な活用法の一つに「営業日報のIT化」があげられます。
これまで行われてきた営業日報は、紙ベース(一歩進んでエクセル等)で各営業担当者が作成し、それを営業マネジャーがフィードバックするのが一般的な構図です。
これを組織的なコミュニケーションの観点から見るとどうでしょうか。
営業担当者個人と営業マネジャーの双方においてはコミュニケーションが成立してそうですが、他の営業メンバーがその中に入ってくることはほとんどありません。
エクセルなどで作成した日報をEメールでやり取りする場合でも、CC.で共有するのがいっぱいのところではないでしょうか。
つまり、情報コミュニティという点においては、非常に限定的かつ封鎖的になりがちです。
SFAは、コミュニティという観点でも理想的な空間をつくりだすことが可能です。
これまでの限定的なコミュニケーションから、チームメンバー全員が参画できる組織的コミュニティが実現できるわけです。