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法人営業を第一線でこなすための思考術①/BtoB取引編

法人営業とBtoB取引

営業スタイルの違いは思考も違う!

「御社の営業スタイルはどんな形なんですか?」
当社に初めて営業コンサルティングや営業研修などについて、ご相談いただく企業担当者の方にアバウトな質問を最初に投げかけたりしています。

「完全テレアポ営業です」
「基本はルートの訪問営業です」
「Webからの反響営業ですね」
「代理店開拓とサポートが中心です」

そうすると、こんな感じで、様々なフリーワードで答えが返ってきます。
では、この質問の意図は何なのかと申しますと、様々な営業スタイルの違いにより捉える視点が異なるためです。

そこから次に着目する点は「顧客は誰か?」ということになります。
つまり、「誰をターゲットにしているのか?」により、その属性がおおむね2つに分けられます。
一つは「個人(=一般消費者)向け」、もう一つは「法人(=事業者)向け」です。

この2つ違いは、売り手である自社の事業戦略によって決まります。
そこに、冒頭の質問のように、「どのようなスタイルか?」を組み合わせることにより、企業ごとの営業活動の大枠が見えてくるわけです。

しかし、事業戦略によって「対個人向け」と「対法人向け」に大別するのはいいのですが、その違いを理解することなく営業活動して問題ないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

もし、「同じ営業なんだから基本的に同じでしょ?」と思っていたとしたら、どこか必ず弊害が出るものです。
結論を言ってしまうと、「法人向け営業と個人向け営業では、捉える視点や持つべき思考が異なる」と言うことを理解しておきたいところです。

そこで、今回のテーマではコンサルティング事業を生業とする当社の視点から「法人営業」を基点に、個人取引との違いやBtoB取引の特性について追及してみましょう。

法人営業の基本は「法人」を理解すべし!

ひとえに「営業」と言っても、世の中には様々なやり方が存在します。
これは、企業ごとに異なる事業戦略によって取るべき営業スタイルや手法が決まり、「ターゲットが誰なのか?」により、大きく「法人向け営業」と「個人向け営業」という2つのスタイルに分けられます。

もちろん、同じ「営業」という枠組みで考えれば共通する点もありますが、それぞれの「違い」を知ると、特性に合わせた思考が要求されることに気づくはずです。
早速、それぞれの違いを見てみることにしましょう。

法人と個人の「人」の違い

法人営業も個人営業も「人」を相手にすることに変わりありません。しかし、同じ「人」でも大きく異なるのは「その人の立場の違い」です。言葉を変えると「当事者(本人)」なのか、「それ以外か」と言うことです。

そもそも「法人」とは、名の通り、法のもとに人が目的を持って集まり、活動をする組織全体のことを指しています。

そう考えると、企業(法人)という組織に属する「人たち」は、自分の持ち場(所属部署)と立場(職務権限)があり、その対応の範囲に限りがあります。

一方、個人を相手に営業する場合、例外を除いて当事者は本人かその家族になるため、決定権も決裁権も有していることが一般的です。

このことから、法人営業として窓口になっている「人=担当者」は、あくまで会社という法人格の一部を担う「橋渡し役」であり、最終的な決定権や決裁権を有するまでに複数の「人」が介在しうることが個人営業との大きな違いでしょう。

つまり法人営業は、「ターゲットとする企業(客先)が、どのような組織形態で、その担当者が組織のどの部分に位置し、どのような意思決定、決裁ルートをつくりあげているのかを把握する必要がある」と言うことになります。

企業と個人の「買い手」の違い

では今度は、企業(法人)と個人それぞれ「買い手(客として)」の立ち位置で違いを見てみましょう。

企業や個人が買い手となる場合、その延長線上にある「責任の範囲」に違いが現れます。
個人であれば、責任の範囲は本人か家族の範囲で限定されるのが通常です。しかも万一何かあった場合は、消費者保護の観点から法律が守ってくれるケースも多々あります。
例えば、クーリングオフ制度は、消費者保護の代表的な法制度かもしれませんね。

一方、法人が買い手の立場ですと少し様子が違ってきます。
前出のとおり、企業の担当者には特定の所属先と職務権限の範囲が定められており、それに応じた「責任」を分担しています。

しかし、その責任は、個人のように「自己責任」の範疇では済まされないこともあります。なぜならば、万一の時に組織形態上の連鎖責任に波及することも十分にありうる話だからです。

クーリングオフ制度についても、たとえ企業が顧客の立場だったとしても事業者(法人)間の取引においては適用外となります。それだけに、企業には様々な観点からチェック機能やフィルター機能を設けており、個人の立場とは比較にならないほど取引には慎重にならざるを得ないのがこのためです。

このように、企業が売り手であっても買い手であっても企業間取引には、個人で取引することとは「別物」の考え方を持つ必要があるのです。
また、企業同士の商取引ルートは、「BtoB」と言われたりしていますが、次から、そのBtoB取引の特性を見据えながら法人営業のあり方について追及して行くことにします。

BtoB(企業間)取引に見られる3つの特性

まずは、これまで示してきた「法人ならでは」の特性をまとめておきましょう。

  • 法人とは、法の下に共通目的を持った者が集まり活動する組織体である
  • その法人の属する担当者は個人とは異なる「別人格」で対応する
  • ゆえに、法人として立場上の責任を背負っているため取引には慎重である

このような特性がある「法人」をターゲットに商取引ルートを構築している場合、よく「BtoB」という言葉が用いられます(Bとは、「Business」の略称)。ちなみに、企業が「個人」つまり一般消費者をターゲット(=顧客)にする場合は、「BtoC」という形態が用いられます(Cとは、「Customer」もくは「Consumer」の略称)。

法人営業とは、顧客が「法人(企業)向け」であることから、一般的に「BtoB取引」となりますが、その商取引にはBtoC(企業対個人)には見られない特性が幾つもあります。
ここでは大きく3つの要素を取り上げてみることにします。

BtoB特性①:取引の規模

まず、取引特性の一つとして「取引規模の大きさ」があります。
例えば、ボールペンを購入するケースで考えてみましょう。

もし、ボールペンを個人で使うのであれば、購入する際には1本もしくは予備用として3本セット位で十分事足りることがほとんどかと思います。

では、今度は企業がボールペンを購入するケースではどうでしょうか。
例えば、その企業の従業員数が100人いたとします。そうすると、一人1本ずつ渡そうとすれば、1本×100人=100本、3本ずつだとしたら300本のボールペンを調達する必要があるわけです。

また、その企業が販促の一環として贈答品(ノベルティー)の活用を考えていれば、それこそ数千本~という単位で調達を検討するかもしれません。

こう考えると、ボールペン1本の単価が少額でも、数がまとまるとそれだけ取引規模が大きくなると言うわけです。

BtoB特性②:取引の継続性

続いて、BtoB取引の2つ目の特性は、「取引の継続性」です。

ほとんどの企業組織は、一過性(つまり、すぐ消滅させる目的)で活動しているわけではありません。その大半は、会社を未来永劫、維持、繁栄していくための活動を目指しています。
そして、その維持、繁栄の源泉になるのは、「収益」に他なりません。

そう言った理由から、安定して収益を確保するために、材料調達、製造、輸送、販売網など、あらゆる機会で商取引を繰り広げているわけです。

つまり、企業が何か商取引を行う際には「継続(反復)性」が前提となるわけで、万一、継続性が確保できなければ企業活動はストップしてしまい、存亡の危機までに発展することも考えられます。

そのようなことからしても、安定し、かつ、継続して供給できる相手先(取引相手)を企業は求めていると言うことです。

BtoB取引特性③:利害関係者の存在

「利害関係」とは、わかりやすく言い換えると「しがらみ」です。
企業とは、個人と比較にならないほど「利害関係」が絡んでくるのが特性の一つかもしれません。

昨今では、利害関係者を「ステークホルダー」と呼んだりしてますが、その者の実態は、株主、従業員、顧客、取引先(バイヤー・サプライヤー)、金融機関、官公庁…など多肢にわたります。

取引先が企業の場合、利害関係者の存在(つまり、しがらみネットワーク)が常に見え隠れしていることを念頭に営業活動を展開していく必要があるわけです。

法人営業を「どうこなすか?」/まとめ

これまでお伝えしてきましたように、法人営業をこなしていくためには、「そもそも法人とは何なのか?」という企業組織の仕組みを理解しなければなりません。そのうえで、企業を相手に商取引を行おうとする際には、個人相手にはない企業間(BtoB)取引ならではの特性を知ることで、法人営業のあり方が見えてくるというわけです。

その「あり方」が見えてくると、今度は「やり方」が焦点になってきます。
つまり、「企業担当者を目の前にして商談をどのように展開していくか?」ということです。

この続きは、「法人営業を第一線でこなすための思考術②」で触れていきたいと思います。

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